美容医療を行う上で、私が一番大切にしていることがあります。
それは、「自然な美しさ」を引き出すことです。
美容医療を学び始めた頃に教わったこと
私が初めて勤務した美容クリニックには、麻酔科、特にペインクリニックでの豊富な経験を持ちながら、美容医療では注入治療を得意とされている先生がいらっしゃいました。
今でも私にとって大切な師匠です。
技術が素晴らしいのはもちろんですが、それ以上に印象に残っているのは、患者さんへの接し方でした。
不安な気持ちに寄り添いながら、やさしく、わかりやすく説明をする姿勢。
どんな質問にも丁寧に耳を傾け、安心して治療を受けてもらうためのコミュニケーションを何より大切にされていました。
「美容医療は技術だけではない。」
そのことを、日々の診療を通して教えていただきました。
また、クリニックのオーナーである皮膚科の先生も、とても明るく気さくな方で、どんな質問にも丁寧に答えてくださいました。
皮膚科診療の考え方や患者さんとの向き合い方まで、多くのことを学ばせていただきました。
当直明けでも美容クリニックへ通った日々
当時の私は、まだ麻酔科をメインに勤務していた時期でした。
当直明けでもそのまま美容クリニックへ向かい、休日もほとんど返上して働く毎日。
決して楽ではありませんでしたが、美容医療を学べることが嬉しく、とても充実した時間だったことを今でも覚えています。
「やりすぎてはいけない」
そんな先生方から何度も教えていただいた言葉があります。
「やりすぎてはいけない。」
美容医療では、患者さんのご希望をしっかりお聞きすることが大切です。
しかし同時に、「できること」と「できないこと」をきちんとお伝えし、本当にその施術がその方に合っているのかを一緒に考えることも、医師の大切な役割だと思っています。
流行している施術だから。
SNSで話題になっているから。
そのような理由だけで治療を選ぶのではなく、その方が本来持っているお顔立ちや魅力を生かすことが、自然でその方らしい仕上がりにつながると私は考えています。
まずは控えめな変化から
もちろん、患者さんがしっかりとした変化を希望される場合には、そのご希望を伺った上で治療をご提案することもあります。
ですが、私自身はまず控えめな変化から始めることをおすすめしています。
少し変えてみて、まだ物足りないと感じたら追加する。
美容医療では、あとから追加できる治療もある一方で、一度行った治療を簡単には元に戻せない場合もあります。
だからこそ、一歩ずつ、ご本人と一緒に確認しながら進めていくことがとても大切だと思っています。
その人らしさを残したまま、美しく
美容医療は、誰か別の人になるためのものではありません。
その人らしさを残したまま、少しだけ自信を持てるようになるためのもの。
私はこれからも、「なんだか最近きれいになったね」と言われるような、自然でその方らしい美容医療を大切にしていきたいと思っています。
次回は、大手美容クリニックでの経験を通して学んだことについてお話しします。